[行列解析2.6.p27]斜対称行列と階数1以下の条件

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.6.P27

2.6.問題27

\(A \in M_n\) が斜対称行列であるとする。

もし \(\mathrm{rank}(A) \le 1\) なら、なぜ \(A = 0\) となるか説明せよ。

ヒント

斜対称行列とは \(A^{\top} = -A\) を満たす行列である。

このとき対角成分はすべて 0 になる。

また、非零の斜対称行列は必ず偶数次元の部分空間上で 2 次元以上の像をもつことを示すと、階数が奇数になることはないと分かる。

解答例

\(A\) が斜対称行列であるとは

A^{\top} = -A

を満たすことである。まず両辺の対角成分を比較すると、任意の \(i\) について

a_{ii} = -a_{ii}

となるので、\(2a_{ii}=0\) であり、したがって

a_{ii} = 0

である。よって対角成分はすべて 0 である。

次に、\(A\neq 0\) と仮定する。するとある \(i\neq j\) に対して \(a_{ij}\neq 0\) である。このとき斜対称性より

a_{ji} = -a_{ij} \neq 0

となる。標準基底ベクトル \(e_i,e_j\) を考えると、\(A e_i\) と \(A e_j\) は少なくとも \(i,j\) 成分において互いに一次独立な成分をもつ。実際、これらは 2 次元部分空間 \(\mathrm{span}\{e_i,e_j\}\) 上で

\begin{pmatrix}
0 & a_{ij} \\
- a_{ij} & 0
\end{pmatrix}

という形の作用を与える。この行列は \(a_{ij}\neq 0\) のとき階数 2 をもつ。

したがって \(A\neq 0\) ならば \(\mathrm{rank}(A)\ge 2\) である。ゆえに \(\mathrm{rank}(A)\le 1\) であるならば、その対偶より \(A=0\) である。


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