[行列解析2.5.P49]上三角で対角化可能な行列の上三角相似対角化

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.5.P49

2.5.問題49

\( A \in M_n \) が上三角で対角化可能であると仮定する。

このとき、上三角行列による相似変換によって対角化できることを示せ。

ヒント

上三角行列が対角化可能であるとは、各固有値に対して幾何重複度代数重複度に等しいことを意味する。

上三角行列では対角成分が固有値であるため、固有空間の基底を適切に選ぶことで、上三角行列からなる基底変換行列を構成できる点に着目する。

解答例

\( A \in M_n \) を上三角行列とし、\( A \) が対角化可能であると仮定する。上三角行列の固有値はその対角成分であり、対角成分を \( \lambda_1,\ldots,\lambda_n \) とする。

対角化可能であるという仮定より、各固有値 \( \lambda \) に対して、その代数重複度と幾何重複度が一致する。したがって、固有ベクトル全体からなる基底を取ることができる。

上三角行列 \( A \) に対して、固有値の順序を対角成分の順序と一致させた固有ベクトルを逐次的に選ぶことができる。このとき、各固有ベクトルは前の成分の線形結合を含まない形で取れるため、これらを列にもつ行列 \( T \) は上三角行列として構成できる。

このようにして得られた可逆な上三角行列 \( T \) に対して、\( T^{-1}AT \) を考えると、各列が対応する固有値の固有ベクトルであることから、

T^{-1}AT = \mathrm{diag}(\lambda_1,\ldots,\lambda_n)

が成り立つ。

すなわち、\( A \) は上三角行列による相似変換によって対角化できる。


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