2.5.P46
2.5.問題46
シュールの標準形・シュール三角化(2.3.1) を用いて、実行列の非実固有値は必ず複素共役のペアで現れることを示せ。
ヒント
実行列に対するシュールの標準形では、直交行列による相似変換で上三角(あるいは準三角)行列が得られる。対角成分や \(2\times2\) ブロックの形に注目し、特性多項式の係数が実数であることを用いる。
解答例
\(A \in M_n(\mathbb{R})\) を実行列とする。
実行列に対するシュールの標準形(シュール三角化)より、ある実直交行列 \(Q\) が存在して
Q^{\top} A Q = T
となり、\(T\) は上三角ブロック行列で、各対角ブロックは \(1\times1\) または \(2\times2\) の実行列である。
\(1\times1\) ブロックは実数 \(\lambda\) であり、これは \(A\) の実固有値に対応する。一方、\(2\times2\) ブロックは
\begin{pmatrix}
a & b \\
-c & a
\end{pmatrix}
\qquad (b,c>0)
の形をしている。この行列の特性多項式は \( (t-a)^2+bc \) であり、その根は \( a \pm i\sqrt{bc} \) である。
したがって、この \(2\times2\) ブロックは互いに複素共役な非実固有値の組に対応する。
以上より、実行列 \(A\) の固有値は、実数であるか、または必ず複素共役のペアとして現れることが分かる。
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