2.5.P4
2.5.問題4
正規行列が斜エルミート(skew Hermitian)であることと、そのすべての固有値が純虚数(実部が 0)であることは同値であることを示せ。
ヒント
正規行列はユニタリ行列によって対角化できることを用いる。
斜エルミート行列の定義 \( A^{\ast} = -A \) と、対角行列における共役転置の形を比較し、固有値の性質を調べるとよい。
解答例
まず、\( A \) を正規行列とする。このとき、あるユニタリ行列 \( U \) と対角行列 \( D \) が存在して、\( A = U D U^{\ast} \) と表せる。ここで \( D \) の対角成分は \( A \) の固有値である。
(⇒)\( A \) が斜エルミート、すなわち \( A^{\ast} = -A \) であると仮定する。上の分解を用いると、
A^{\ast} = (U D U^{\ast})^{\ast} = U D^{\ast} U^{\ast}
一方、\( A^{\ast} = -A = - U D U^{\ast} \) であるから、
U D^{\ast} U^{\ast} = - U D U^{\ast}
が成り立つ。両辺に左から \( U^{\ast} \)、右から \( U \) を掛けると、
D^{\ast} = -D
を得る。対角行列についてこの関係が成り立つためには、各固有値 \( \lambda \) が \( \overline{\lambda} = -\lambda \) を満たす必要がある。したがって \( \lambda + \overline{\lambda} = 0 \)、すなわち \( \Re(\lambda) = 0 \) であり、すべての固有値は純虚数である。
(⇐)逆に、\( A \) を正規行列で、そのすべての固有値が純虚数であると仮定する。このとき、対角行列 \( D \) の各対角成分 \( \lambda \) は \( \overline{\lambda} = -\lambda \) を満たすので、
D^{\ast} = -D
が成り立つ。したがって、
A^{\ast} = (U D U^{\ast})^{\ast} = U D^{\ast} U^{\ast} = - U D U^{\ast} = -A
となり、\( A \) は斜エルミート行列である。
以上より、正規行列が斜エルミートであることと、そのすべての固有値が純虚数であることは同値である。
行列解析の総本山
総本山の目次📚

記号の意味🔎




コメント