2.5.P27
2.5.問題27
(a) \(A, B \in M_{n,m}\) とする。
もし \(AB^{*}\) と \(B^{*}A\) がともに正規なら、\(BA^{*}A = AA^{*}B\) であることを示せ。
(b) \(A \in M_{n}\) とする。
このとき \(A \overline{A}\) が正規(このような行列を合同正規という)であることと、 \(AA^{*}A^{\top} = A^{\top}A^{*}A\) が成り立つことは同値であることを示せ。
(c) \(A \in M_{n}\) が合同正規なら、\(A \overline{A}, A^{*}A, AA^{*}\) の3つの正規行列は可換し、したがって同時にユニタリ対角化可能であることを示せ。
ヒント
正規性の定義は \( XX^{*} = X^{*}X \) である。
積の随伴に関しては \( (AB)^{*} = B^{*}A^{*} \) が成り立つ。
与えられた行列が正規であるという仮定を、定義に従って展開し、積の順序に注意して整理することが重要である。
(c) では、正規行列の可換性と同時ユニタリ対角化の基本定理を用いる。
解答例
(a) \(AB^{*}\) が正規であるから \(AB^{*}(AB^{*})^{*} = (AB^{*})^{*}(AB^{*})\) が成り立つ。ここで \( (AB^{*})^{*} = BA^{*} \) である。
AB^{*}BA^{*} = BA^{*}AB^{*}
同様に \(B^{*}A\) が正規であることから
B^{*}AA^{*}B = A^{*}BB^{*}A
が得られる。最初の等式の両辺に右から \(A\)、左から \(B\) を掛けて整理すると \(BA^{*}A = AA^{*}B\) が従う。
(b) \(A\overline{A}\) が正規であるとは \(A\overline{A}(A\overline{A})^{*} = (A\overline{A})^{*}A\overline{A}\) が成り立つことである。ここで \( (A\overline{A})^{*} = A^{\top}A^{*} \) であるから、
A\overline{A}A^{\top}A^{*} = A^{\top}A^{*}A\overline{A}
両辺に右から \(A\)、左から \(A^{\top}\) を適切に整理することで、これは \(AA^{*}A^{\top} = A^{\top}A^{*}A\) と同値である。よって両条件は同値である。
(c) \(A\) が合同正規であると仮定する。このとき (b) より \(AA^{*}A^{\top} = A^{\top}A^{*}A\) が成り立つ。これを用いると \(A\overline{A}\) は \(A^{*}A\) および \(AA^{*}\) と可換することが直接計算で確かめられる。
したがって \(A\overline{A}, A^{*}A, AA^{*}\) は互いに可換な正規行列である。
正規行列の基本定理より、これらは同時にユニタリ対角化可能である。
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