2.5.P22
2.5.問題22
(2.5.6) を用いて、複素エルミート行列の特性多項式は実係数をもつことを示せ。
ヒント
エルミート行列では \( A^{*}=A \) が成り立つ。
特性多項式を \( \det(\lambda I-A) \) とおき、複素共役を取ったときの振る舞いを調べることで、係数が実数であることを示す。
解答例
\(A\in M_n\) を複素エルミート行列とする。
すなわち \( A^{*}=A \) が成り立つ。\(A\) の特性多項式を \( p(\lambda)=\det(\lambda I-A) \) とおく。
任意の \( \lambda\in\mathbb{C} \) に対して、\( p(\lambda) \) の複素共役を取ると
\overline{p(\lambda)}
=\overline{\det(\lambda I-A)}
=\det\bigl((\lambda I-A)^{*}\bigr)
が成り立つ。
ここで随伴の性質と \( A^{*}=A \) より \( (\lambda I-A)^{*}=\overline{\lambda}I-A \) であるから、
\overline{p(\lambda)}=\det(\overline{\lambda}I-A)=p(\overline{\lambda})
を得る。したがって、\( p(\lambda) \) は \( \overline{p(\lambda)}=p(\overline{\lambda}) \) を満たす多項式である。
この性質は、特性多項式のすべての係数が実数であることと同値である。
よって、複素エルミート行列の特性多項式は実係数をもつことが示された。
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