[行列解析2.5.P16]ユニタリ共役と正規行列の相似性

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.5.P16

2.5.問題16

\(U, V, \Lambda \in M_{n}\) で \(U, V\) がユニタリなら、\(U \Lambda U^{*}\) と \(V \Lambda V^{*}\) はユニタリに相似であることを示せ。

ここから、2つの正規行列が相似であることとユニタリ相似であることは同値であることを導け。

さらに、相似ではあるがユニタリ相似ではない2つの対角化可能行列の例を与えよ。

ヒント

ユニタリ行列による共役変換 \( U \Lambda U^{*} \) の性質に注目し、2つの行列の間にユニタリ行列 \( W \) が存在するかを考える。

正規行列については、スペクトル分解とユニタリ対角化の一意性を用いるとよい。

解答例

まず \( U, V \) をユニタリ行列とする。

行列 \( U \Lambda U^{*} \) と \( V \Lambda V^{*} \) を考える。
ここで \( W = V U^{*} \) とおくと、\( W \) はユニタリである。

W ( U \Lambda U^{*} ) W^{*}
= ( V U^{*} ) ( U \Lambda U^{*} ) ( U V^{*} )
= V \Lambda V^{*}

したがって、\( U \Lambda U^{*} \) と \( V \Lambda V^{*} \) はユニタリ行列 \( W \) により結ばれており、ユニタリに相似である。

次に、正規行列について考える。正規行列 \( A \) はあるユニタリ行列 \( U \) と対角行列 \( \Lambda \) を用いて \( A = U \Lambda U^{*} \) と表される。
同様に正規行列 \( B \) は \( B = V \Lambda V^{*} \) と表される。

\( A \) と \( B \) が相似であると仮定すると、固有値の多重度を含めた集合が一致するため、同一の対角行列 \( \Lambda \) を用いて表せる。
よって先に示した結果から、\( A \) と \( B \) はユニタリに相似である。

逆に、ユニタリ相似であれば相似であることは明らかである。
したがって、正規行列においては、相似であることとユニタリ相似であることは同値である。

最後に、相似ではあるがユニタリ相似ではない対角化可能行列の例を与える。

A = \begin{pmatrix} 1 & 0 \\ 0 & 2 \end{pmatrix},
\quad
B = \begin{pmatrix} 1 & 1 \\ 0 & 2 \end{pmatrix}

行列 \( B \) は対角化可能であり、\( A \) と同じ固有値をもつため相似である。
しかし \( B \) は正規行列ではない。一方、\( A \) は正規行列であるため、両者はユニタリ相似ではない。


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