[行列解析2.5.P12]対角行列の共役と絶対値のユニタリ表示

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.5.P12

2.5.問題12

(2.5.P11) を一般化して、もし \(\Lambda = \mathrm{diag}(\lambda_{1}, \ldots, \lambda_{n}) \in M_{n}\) なら、対角ユニタリ行列 \(U, V\) が存在して、\(\overline{\Lambda} = U \Lambda = \Lambda U\)、および \(|\Lambda| = \mathrm{diag}(|\lambda_{1}|, \ldots, |\lambda_{n}|) = V \Lambda = \Lambda V\) となることを示せ。

ヒント

各成分 \( \lambda_j \) を極形式 \( \lambda_j = r_j e^{i\theta_j} \) と表すと、共役や絶対値は位相因子との積として表現できる。

対角行列の場合、成分ごとに定義したユニタリ係数を並べればよい。

解答例

\( \Lambda = \mathrm{diag}(\lambda_1,\ldots,\lambda_n) \in M_n \) とする。

各 \( \lambda_j \neq 0 \) に対し、極形式 \( \lambda_j = |\lambda_j| e^{i\theta_j} \) を取る。

このとき共役は \( \overline{\lambda_j} = e^{-2i\theta_j}\lambda_j \) と書けるので、対角行列

U = \mathrm{diag}(e^{-2i\theta_1},\ldots,e^{-2i\theta_n})

を定めると、各対角成分ごとに \( \overline{\lambda_j} = e^{-2i\theta_j}\lambda_j \) が成り立つ。

したがって

\overline{\Lambda} = U\Lambda = \Lambda U

である。ここで \( U \) は対角成分がすべて絶対値 1 であるため、対角ユニタリ行列である。

次に絶対値について考える。各成分について \( |\lambda_j| = e^{-i\theta_j}\lambda_j \) と書けるので、

V = \mathrm{diag}(e^{-i\theta_1},\ldots,e^{-i\theta_n})

と定めれば、

|\Lambda| = \mathrm{diag}(|\lambda_1|,\ldots,|\lambda_n|) = V\Lambda = \Lambda V

が成り立つ。以上より、所望の対角ユニタリ行列 \( U, V \) の存在が示された。


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