[行列解析2.4.p24]余因子行列の固有値の具体的表示

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.4.P24

2.4.問題24

\( A \in \mathbb{M}_n \) の固有値を \( \lambda_1, \ldots, \lambda_n \) とするとき、余因子行列 \( \mathrm{adj} A \) の固有値は

\prod_{j \neq i} \lambda_j, \quad i=1,\ldots,n

であることを示せ。

ヒント

行列 \( A \) は相似変換により上三角行列に変形でき、固有値は対角成分として現れる。

相似変換は固有値を変えないので、上三角行列の場合に余因子行列の対角成分を計算すればよい。

解答例

\( A \in \mathbb{M}_n \) の固有値を \( \lambda_1,\ldots,\lambda_n \) とする。一般性を失うことなく、ある正則行列 \( P \) を用いて \( A = P T P^{-1} \) と表せるとする。ただし \( T \) は上三角行列であり、その対角成分は \( t_{ii} = \lambda_i \) である。

相似変換は固有値を保存するので、\( \mathrm{adj} A \) と \( \mathrm{adj} T \) は同じ固有値をもつ。したがって、\( \mathrm{adj} T \) の固有値を求めれば十分である。

上三角行列 \( T \) に対して、その余因子行列 \( \mathrm{adj} T \) も上三角行列であり、対角成分は \( \tau_{ii} = \prod_{j \neq i} t_{jj} \) で与えられる。

ここで \( t_{jj} = \lambda_j \) であるから、

\tau_{ii} = \prod_{j \neq i} \lambda_j

上三角行列の固有値は対角成分に等しい。よって \( \mathrm{adj} T \)、ひいては \( \mathrm{adj} A \) の固有値は \( \prod_{j \neq i} \lambda_j \) \( (i=1,\ldots,n) \) であることが分かる。


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