[行列解析2.1.p25]ユニタリ行列の複合行列がユニタリとなる理由

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.1.p25

2.1.問題25

ユニタリ行列 \( U \in M_n \) と整数 \( r \in \{1, \ldots, n\} \) に対し、複合行列(compound matrix) \( C_r(U) \) がユニタリである理由を説明せよ。

ヒント

複合行列 \( C_r(U) \) がユニタリ行列になる理由を示す問題である。

ユニタリ性 \( U^{*}U=I \) が複合行列にどのように引き継がれるかを確認する。

複合行列 \( C_r(U) \) は行列 \( U \) の \( r \) 次小行列式を成分として作られる行列である。複合行列は行列積と共役転置の操作とよく対応しており、性質 \( C_r(UV)=C_r(U)C_r(V) \)、\( C_r(U^{*})=C_r(U)^{*} \) が成り立つ

この性質を用いて、元のユニタリ性 \( U^{*}U=I \) をそのまま複合行列に移せばよい。

解答例

ユニタリ行列 \( U \) は定義より \( U^{*}U=I \) を満たす。

ここで複合行列に関する基本性質

C_r(UV)=C_r(U)C_r(V), \quad C_r(U^{*})=C_r(U)^{*}

が成り立つことを用いる。

この性質は、\( C_r(U) \) が \( U \) の \( r \) 次小行列式から構成され、行列積に対して余因子展開が整合的であることから得られる。

ユニタリ性 \( U^{*}U=I \) に複合行列を対応させると

C_r(U^{*}U)=C_r(I)

となる。上の性質を代入すると

C_r(U^{*})C_r(U)=C_r(I)

であり、さらに \( C_r(U^{*})=C_r(U)^{*} \) と \( C_r(I)=I \) より

C_r(U)^{*}C_r(U)=I

を得る。同様にして \( C_r(U)C_r(U)^{*}=I \) も成り立つ。

したがって、\( C_r(U) \) は定義どおりユニタリ行列である。

これは抽象的には、ユニタリ行列 \( U \) が外積空間の \( r \) 次外冪に誘導する線形変換が内積を保つこと、すなわちユニタリとなることと同値である。

よって複合行列 \( C_r(U) \) はユニタリである。


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