2.1.p22
2.1.問題22
\( X, Y \in M_{n,m} \) が直交な列を持つ行列であるとする。次を示せ:
\( X \) と \( Y \) の列空間が一致する ⇔ \( X = YU \) を満たすユニタリ行列 \( U \in M_m \) が存在する。
ヒント
\(X,Y\in M_{n,m}\) が直交な列(互いに直交し長さ1の列ベクトル)をもつとは、\(X^{*}X=I_m\)、\(Y^{*}Y=I_m\) が成り立つことを意味する。列空間が一致するとは、どちらの行列の列も同一の部分空間を張ることを意味する。
列空間が一致すれば直交射影が一致し、そこから \(U=Y^{*}X\) を定めることでユニタリ行列が得られる。逆に \(X=YU\) が成り立てば、明らかに同じ列の線形結合で生成されるので列空間が一致する。
解答例
\(X,Y\in M_{n,m}\) が直交な列をもつと仮定する。すなわち
X^{*}X=I_m,\qquad Y^{*}Y=I_m
が成り立つ。
まず「列空間が一致するならば \(X=YU\) を満たすユニタリ \(U\) が存在する」ことを示す。仮定より \(X\) と \(Y\) の列空間は一致するので、射影行列も一致し
XX^{*}=YY^{*}
が成り立つ。ここで
U=Y^{*}X
と定める。このとき
U^{*}U=X^{*}YY^{*}X=X^{*}XX^{*}X=I_m
となるので \(U\) はユニタリ行列である。また
YU=YY^{*}X=XX^{*}X=X
となり、確かに \(X=YU\) が得られる。
次に逆を示す。ユニタリ行列 \(U\in M_m\) が存在して \(X=YU\) が成り立つと仮定する。このとき \(U\) は可逆であるから、\(X\) の任意の列ベクトルは \(Y\) の列ベクトルの線形結合として表される。よって
\operatorname{Col}(X)\subset \operatorname{Col}(Y)
が成り立つ。同様に \(U^{-1}\) が存在して \(Y=XU^{-1}\) と書けるので
\operatorname{Col}(Y)\subset \operatorname{Col}(X)
となる。したがって両者の列空間は一致する。
以上により、「列空間が一致すること」と「あるユニタリ行列 \(U\) が存在して \(X=YU\) が成り立つこと」は同値であることが示された。
行列解析の総本山
総本山の目次📚

記号の意味🔎




コメント