[行列解析2.1.p15]ユニタリ行列の部分ブロックと性質の問題

2.ユニタリ相似とユニタリ同値

2.1.p15

2.1.問題15

\( U \in M_n \) がユニタリで、\( \alpha \subset \{1, \dots, n\} \)、かつ \( U[\alpha, \alpha^c] = 0 \)(0.7.1)であるとき、以下を示せ:

  • \( U[\alpha^c, \alpha] = 0 \)
  • \( U[\alpha] \)、および \( U[\alpha^c] \) はともにユニタリである。

ヒント

与えられた条件 \( U[\alpha,\alpha^c]=0 \) から、行列 \( U \) を添字集合 \( \alpha,\alpha^c \) によるブロック行列として表す。すると \( U \) は上右ブロックが 0 のブロック下三角行列になる。ユニタリ性より \( U^{-1}=U^{*} \) が成立するので、逆行列の形を考えることで、反対側のブロック \( U[\alpha^c,\alpha] \) も 0 であることを示すことができる。その結果、\( U \) はブロック対角行列となり、それぞれの対角ブロックがユニタリであることを、ユニタリ条件 \( U^{*}U=I \) を用いて確かめる。

解答例

まず、添字の並べ替えにより \( \alpha \) が先頭、\( \alpha^c \) が後ろに来るように並べたとする。このとき \( U \) は次のブロック行列表現をもつ:

U=\begin{pmatrix}
U[\alpha] & U[\alpha,\alpha^{c}] \\
U[\alpha^{c},\alpha] & U[\alpha^{c}]
\end{pmatrix}

仮定より \( U[\alpha,\alpha^{c}]=0 \) であるから、

U=\begin{pmatrix}
A & 0 \\
B & C
\end{pmatrix}

と書ける(ここで \( A=U[\alpha] \)、\( B=U[\alpha^{c},\alpha] \)、\( C=U[\alpha^{c}] \) とする)。

\( U \) はユニタリであるから \( U^{-1}=U^{*} \) が成り立ち、特に \( U \) は正則である。ブロック下三角行列の逆行列は、再びブロック下三角行列になることが知られている。すなわち、

U^{-1}=\begin{pmatrix}
A^{-1} & 0 \\
\ast & C^{-1}
\end{pmatrix}

となり、上右ブロックは 0 である。

一方、\( U^{-1}=U^{*} \) であるから、上右ブロックは \( U^{*}[\alpha,\alpha^{c}] \) であり、これは \( U[\alpha^{c},\alpha] \) の共役転置に等しい。したがって

U[\alpha^{c},\alpha]=0

が得られる。

以上により \( U \) は次の形のブロック対角行列である:

U=\begin{pmatrix}
A & 0 \\
0 & C
\end{pmatrix}

ここでユニタリ条件 \( U^{*}U=I \) をブロックごとに適用すると、

A^{*}A=I,\qquad C^{*}C=I

が成り立つ。同様に \( UU^{*}=I \) から

AA^{*}=I,\qquad CC^{*}=I

も得られる。

したがって、\( A=U[\alpha] \) および \( C=U[\alpha^{c}] \) はいずれもユニタリ行列である。

以上より、求める二つの主張が示された。


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