[行列解析1.3.P34]相似な行列と余因子行列の相似性

1.固有値・固有ベクトル・相似

1.3.P34

1.3.問題34

\(A, B \in M_n\) が相似であるとき、\(\mathrm{adj}(A)\) と \(\mathrm{adj}(B)\) も相似であることを示せ。

ヒント

行列 \(A\) と \(B\) が相似であるとは、ある正則行列 \(S\) を用いて \(B=S^{-1}AS\) と書けることを意味する。

余因子行列 \(\mathrm{adj}(A)\) は、\(A\) の逆行列と行列式の関係 \(A\,\mathrm{adj}(A)=\det(A)I\) を満たすことを利用するとよい。

相似変換と行列式の性質に注意して計算する。

解答例

\(A\) と \(B\) が相似であるとする。このとき、ある正則行列 \(S\) が存在して \(B=S^{-1}AS\) と書ける。

余因子行列の定義より、任意の正方行列 \(X\) に対して \(X\,\mathrm{adj}(X)=\det(X)I\) が成り立つ。これを \(X=B\) に適用すると、

B\,\mathrm{adj}(B)=\det(B)I

となる。一方、\(B=S^{-1}AS\) を代入すると、

S^{-1}AS\,\mathrm{adj}(B)=\det(B)I

両辺の左から \(S\)、右から \(S^{-1}\) を掛けると、

A\,(S\,\mathrm{adj}(B)\,S^{-1})=\det(B)I

ここで、相似な行列は同じ行列式をもつので \(\det(B)=\det(A)\) である。したがって、 \(A\,(S\,\mathrm{adj}(B)\,S^{-1})=\det(A)I\) が成り立つ。

余因子行列の特徴付けの一意性より、 \(S\,\mathrm{adj}(B)\,S^{-1}=\mathrm{adj}(A)\) でなければならない。よって、

\mathrm{adj}(B)=S^{-1}\mathrm{adj}(A)S

となり、\(\mathrm{adj}(A)\) と \(\mathrm{adj}(B)\) は相似であることが示された。


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