1.3.P25
1.3.問題25
\(x, y \in \mathbb{C}^n\) が与えられ、\(y^*x \neq -1\) と仮定する。
(a) 次を確認せよ:
(I + xy^*)^{-1} = I - cxy^*, \quad c = (1 + y^*x)^{-1}
(b) \(\Lambda = \mathrm{diag}(\lambda_1, \dots, \lambda_n)\) とし、\(y^*x = 0\) と仮定する。このとき
A = (I + xy^*)\Lambda(I - xy^*) = \Lambda + xy^*\Lambda - \Lambda xy^* - (y^*\Lambda x)xy^*
の固有値は \(\lambda_1, \dots, \lambda_n\) であることを説明せよ。特に、\(x, y, \Lambda\) の成分が整数であれば、\(A\) の成分も整数になる。
この観察を用いて、固有値 \(1, 2, 7\) をもつ整数成分の \(3\times 3\) 行列の例を構成し、その固有値が確かに所望のものであることを確認せよ。
ヒント
(a) では \( (I+xy^*)(I-cxy^*) \) を直接計算し、単位行列になることを確認すればよい。(b) では \( y^*x=0 \) の下で、行列 \( A \) が \( \Lambda \) と相似であることに注意する。相似な行列は同じ固有値をもつ。
解答例
(a) 定数 \( c=(1+y^*x)^{-1} \) とおく。すると
(I+xy^*)(I-cxy^*) = I + xy^* - cxy^* - c(xy^*)(xy^*) = I + (1-c-cy^*x)xy^*
ここで \( c=(1+y^*x)^{-1} \) より \( 1-c-cy^*x=0 \) である。したがって
(I+xy^*)(I-cxy^*)=I
が成り立ち、\( (I+xy^*)^{-1}=I-cxy^* \) が確認できた。
(b) \( y^*x=0 \) と仮定する。このとき (a) より \( (I+xy^*)^{-1}=I-xy^* \) である。したがって
A=(I+xy^*)\Lambda(I-xy^*)
となり、\( A \) は \( \Lambda \) と相似である。よって \( A \) の固有値は \( \Lambda \) の対角成分 \( \lambda_1,\dots,\lambda_n \) に一致する。
積を展開すると
A=\Lambda+xy^*\Lambda-\Lambda xy^*-(y^*\Lambda x)xy^*
を得る。特に \( x,y,\Lambda \) の成分が整数であれば、右辺の各項も整数成分をもち、\( A \) も整数成分行列となる。
具体例として \( n=3 \)、\( \Lambda=\mathrm{diag}(1,2,7) \)、\( x=(1,0,0)^{\top} \)、\( y=(0,1,0)^{\top} \) をとると \( y^*x=0 \) であり、
A=(I+xy^*)\Lambda(I-xy^*)
=
\begin{pmatrix}
1 & -1 & 0\\
0 & 2 & 0\\
0 & 0 & 7
\end{pmatrix}
となる。この行列は上三角行列であり、対角成分から固有値が \(1,2,7\) であることが直ちに分かる。
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