[行列解析1.2.P3]対角行列の固有多項式とCayley–Hamilton

1.固有値・固有ベクトル・相似

1.2.P3

1.2.問題3

\( D \in M_n \) を対角行列とする。

固有多項式 \( p_D(t) \) を計算し、\( p_D(D) = 0 \) であることを示しなさい。

ヒント

対角行列の行列式は対角成分の積で表される。固有多項式は \( \det(tI-D) \) として定義され、対角行列の場合は各対角成分ごとに分解できる。得られた多項式に \( D \) を代入して考える。

解答例

\( D \in M_n \) を対角行列とし、その対角成分を \( d_1, d_2, \ldots, d_n \) とする。すなわち

D = \operatorname{diag}(d_1, d_2, \ldots, d_n).

このとき固有多項式は定義より

p_D(t) = \det(tI - D)
= \prod_{i=1}^{n} (t - d_i)

である。

次に \( p_D(D) \) を計算する。多項式の定義より

p_D(D) = \prod_{i=1}^{n} (D - d_i I).

ここで各行列 \( D - d_i I \) は対角行列であり、その第 \( i \) 対角成分は \( d_i - d_i = 0 \) となる。したがって積の結果として少なくとも一つの対角成分が常に 0 となり、

p_D(D) = 0

すなわち零行列となる。以上より、対角行列 \( D \) は自らの固有多項式を満たすことが示された。

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