1.2.P20
1.2.問題20
任意の \( A \in M_n \) に対して、次を示せ:
\det(I + A) = 1 + E_1(A) + \cdots + E_n(A)
ここで、\(E_k(A)\) は \(A\) の固有値の \(k\) 個の組み合わせに対応する基本対称式である。
ヒント
行列 \( A \) の固有値を用いると、行列式は固有値の積として表せる。
単位行列を加えたとき、固有値がどのように変化するかを考え、その積を展開することで基本対称式との関係が得られる。
解答例
\( A \in M_n \) の固有値を \( \lambda_1,\dots,\lambda_n \) とする。
このとき、単位行列 \( I \) を加えた行列 \( I+A \) の固有値は \( 1+\lambda_1,\dots,1+\lambda_n \) である。
したがって、行列式は \( \det(I+A)=(1+\lambda_1)\cdots(1+\lambda_n) \) と表される。
この積を展開すると、固有値の一次、二次、…、\( n \) 次の基本対称式が現れる。すなわち、
(1+\lambda_1)\cdots(1+\lambda_n)
= 1 + \sum_{i}\lambda_i + \sum_{i\lt j}\lambda_i\lambda_j + \cdots + \lambda_1\cdots\lambda_n
右辺の各項は、それぞれ \( E_1(A),E_2(A),\dots,E_n(A) \) に一致する。
以上より、 \( \det(I + A) = 1 + E_1(A) + \cdots + E_n(A) \) が成り立つ。
行列解析の総本山
総本山の目次📚

[行列解析]総本山📚
行列解析の総本山。行列解析の内容を網羅的かつ体系的に整理しています。線形代数の学習を一通り終えた方が、次のステップとして取り組むのに最適です。行列に関する不等式を研究するには、行列解析の知識が欠かせません。
記号の意味🔎

[行列解析9.0]主要な記号一覧🔎
行列解析で使用している記号や用語の簡単な説明です。



コメント