[行列解析1.1.P9]

1.1.P9 定義 (1.1.3) を用いて、次の実行列 \( A \) が実数の固有値を持たないことを示しなさい。

 A = \begin{bmatrix} 0 & -1 \\ 1 & 0 \end{bmatrix} 

しかし、(1.1.9) によれば、この行列 \( A \) には複素数の固有値が存在します。実際には固有値は 2 つあります。それは何でしょうか。

解答

1.1.P9 定義 (1.1.3) を用いて、次の実行列 \( A \) が実数の固有値を持たないことを示します。

 A = \begin{bmatrix} 0 & -1 \\ 1 & 0 \end{bmatrix} 

まず、固有値を求めるために特性方程式を立てます。

 \det(\lambda I - A) = \begin{vmatrix} \lambda & 1 \\ -1 & \lambda \end{vmatrix} = \lambda^2 + 1 = 0 

この方程式 \( \lambda^2 + 1 = 0 \) から、次のように解けます。

 \lambda^2 = -1 \quad\Rightarrow\quad \lambda = i, \; -i 

ここで \( i \) は虚数単位であり、\( i^2 = -1 \) です。したがって、この行列は実数の固有値を持たず、複素数の固有値として \( i \) と \( -i \) を持ちます。

この結果は、行列 \( A \) が平面上のベクトルを90度回転させる作用を持つことと一致します。回転変換は長さを変えず、方向だけを変えるため、実数の固有値が存在しません。


注:当サイトはCAMBBRIDGE公式サイトとは無関係です「Matrix Analysis:Second Edition Roger A. Horn University of Utah Charles R. Johnson」

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